何億円もする楽器?
「バイオリンを習いたいけど、楽器がすごく高い、って聞いたことがあるから・・・。」
こんなお話を時々ききます。
私の母も私がバイオリンを習いたいっ!って言ったとき、はじめはこの理由で習わせるのを躊躇したかもしれないことは想像できます。
でも、それらの問題をクリアーして私は今、バイオリンを楽しんで弾いています。
では、先ほどの噂話がどこからきているかと考えると、テレビなどのメディアで
「バイオリンの名器、ストラディバリウスが12億円で落札!!」とか「何千万円のバイオリンが盗難!?」
とかいうニュースがセンセーショナルに報道されたりするからかもしれません。
これらをきくと、確かに「バイオリンってめちゃくちゃ高価!!」と思いますよね。
でもそれらは、骨董的価値や希少価値、その他もろもろ・・・などがついた、別物の話なのです。
練習用の子供の楽器(分数楽器)
子供用のサイズの楽器(分数楽器と呼ばれます)はそれほど高価ではなく、セットで数万円からあります。
左の写真は私がバイオリンを習いはじめた頃のもの。
今でもとても愛着があり、大切にしています。♡
もう、〇十年経っていますので、枯れた味わいのある良い音になってきました。
この楽器は十数万円のものだったでしょうか?(子供だったのでわからない(^^;)
それでも必死に働いてくれていた親にしてみれば決して安いものではないと思います。
以前のブログで書いたように私は11歳頃にバイオリンをはじめたので、この楽器も2分の1サイズで分数楽器の中でもわりと大きめ。通常ならば、この大きさの楽器のあと、4分の3というサイズを経てから大人用のフルサイズになります。
フルサイズの楽器のお値段もピンからキリまであって、先ほどのストラディバリウスのように何億もするものから、十万円ほどで買えるものもあります。
高価な楽器と、そうでない楽器のちがいって何?
十万円ほどの楽器がすぐに悪くなって使えなくなったり、音が出なくなったりするわけではありません。
ちゃんとお手入れとメンテナンスをすれば何十年、何百年だって演奏できます。(音の良さはそれなりです。)
高価な楽器(ここではストラディバリウスのような雲上クラスではなく、車程度に手が届きそうな何百万から一千万クラスの楽器)と
比較的安価な楽器の違いは、音や演奏のし易さ、楽器の健康状態、製作年、製作者のブランドバリューなど複数の条件にあるように思います。
しかしながら、音の良さ、演奏のし易さは弾いている人の主観によります。
これはやはりかなり弾いている人でないとよくわからないものです。
確かに、良い楽器はまるで人格があるように、こんな音もでるよ~とか教えてくれたり、こちらの出したい音が楽に表現できたり、魅力的な音がするものです。
ですが一方で。
テレビの芸能人格付けチェックでバイオリンの聴き比べをやっているのをご覧になった方はお分かりでしょう。
実際、その道の専門家でもストラディバリウスやグァルネリなどの高価な楽器とそうでない楽器の音を聴き比べてもどうもよくわからないものなのです。
結局、その楽器を演奏する人が惚れ込んで、それだけ出しても惜しくない、というプライスなのでしょうね。
何百年という時代を超えて受け継がれる楽器、バイオリン・・・。
そんな楽器にまつわる謎めいたお話もたくさんあります。
だからこそ、神秘的で奥の深い、魅力的な楽器なのでしょう。
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