ドッペルコンチェルト攻略法。

こんにちは!

シェリーです!^^

 

以前の記事に書きましたが、👉こちらの記事をどうぞ!『バッハのドッペルコンチェルトでつまづくわけ。』

 

鈴木バイオリン指導曲集4巻に出てくるバッハ作曲「二つのバイオリンのための協奏曲」からビバーチェ。

(ドッペルコンチェルトと呼ばれます)

 

バイオリン学習者が必ずといっていいほどこの曲で壁を感じます。

 

ここで筆、ならぬ、バイオリンを折る(あきらめる)方が多いのもこの曲。

 

この壁を乗り越えたらぐっと実力がつき、新しい世界が広がるのに、残念なことです。

 

できるだけスムーズにこの曲をクリアしてほしい・・・そんな願いを込めて

 

今回はその原因と攻略法を考察していきます。

 

 


この曲が難しく感じられる原因。


原因① この曲(以下ドッペル)がそれまでの作曲方法と違う。 

 

ドッペルは題名にもあるように『二つのバイオリンのため』に書かれています。

(鈴木5巻にはもう一方の第1バイオリンパートが出てきます。4巻は第2バイオリン。)

 

通常、ソロ楽器は一個であるはずがソロが二つある訳です。

 

この二つのソロ楽器を美しく絡ませるための方法が採られています。

 

音が重なる部分は、より音が響きやすい3度、4度、5度などの音程で重なるようにする必要があります。

 

そのためにメロディーの流れはソロが一つの場合よりも使える音の制約が出てきます。

 

よって、今まで学習してきた自然なメロディーではなく、記憶しにくいものとなります。

 

 

 

 

原因② 調性が変わる。

 

フラット一つのニ短調で書かれてはいますが、始まりはニ短調であるものの、4小節後に第1バイオリンがイ短調(ニ短調の属調)で出てきます。

 

(音階の知識がないとよくわからないお話かもしれませんがそんな方は「ふ〜ん・・・」程度に読み流してくださいね😊)

 

イ短調の調号はシャープもフラットもつきませんが旋律的短音階が適応されるためファとソにシャープがついたり外れたり、ニ短調のシのフラットがナチュラルになり、結果、臨時記号が増えてしまいます。

 

その後もまたニ短調になったり、イ短調になったり、ハ短調やト短調っぽいところもあったり・・・。

 

臨時記号が付いたり消えたり、いちいち読み取る情報が多くて、私に言わせりゃ「めんどくさく」なるわけです😂

 

譜読みはかなりの注意力を必要とします。

 

 

 

 

 

原因③ 跳躍が多い。

 

「跳躍」とは音の高さが離れた進行をすることです。(反対に音が続いて並ぶのを順次進行といいます)

 

伴って、移弦やポジションの移動の箇所もたくさんになります。

 

移弦はまだしも、やはりポジションの移動はこの曲を難しくしている大きな原因です。

 

正しいポジション移動を体得していないと音程の正しさや曲を仕上げる時間に影響が出ます。

 

ポジションの移動は楽曲だけの実践では変な癖がつきやすいので、別に体系的な学習が必須です。

 

 

 

 

原因④ タイや変則的なスラーが多い。

 

小節線をまたぎ強拍にかかるタイは拍子を数えにくくさせ、続くスラーはこの曲で初めて出てくるパターンのもの。

(タイの後のスラーのかけ方は私が習った時のもので今は別のボウイングになっているかも?)

 

ここに引っかかる方、多いです。

 

どうしてこんなボウイングにするの?と愚痴を言いたくなります・・・😅

 

 

原因⑤ メロディーを記憶しにくい。

 

この曲の壁を感じる人は、特に鈴木教本の4巻のビバルディの協奏曲まで割と難しさを感じずに弾いてきた方達ではないでしょうか?

 

音楽的にセンスや才能があって、曲を大まかにつかまえ、短期間で覚える能力がある人です。

 

しかしドッペルは、原因①から③で説明した通り、曲が複雑なのでメロディーの記憶に頼れない要素があります。

 

試しに、ビバルディの協奏曲とドッペルを鼻歌で歌ってみてください。

 

ビバルディよりもドッペルの方が難しく感じませんか?

 

記憶に頼れない分、しっかり楽譜を読みながら弾く能力が必要になります。

 

 


攻略法。


と、ここまで原因を考えてきましたが、いよいよ攻略法です。

 

 

攻略法① 練習の仕方を見直す。

 

まず、今までの曲の練習の仕方を変える必要があります。

 

どんなふうに?

 

例えるなら

 

「ギア」を落として練習しましょう。

 

車の運転をしない人には分かりづらいのですが、(トップギアで)大まかにはやくざっくり弾くのではなく、(ローギアで)一つ一つの音符を丁寧に拾っていくことです。

 

それまでの曲の練習より2倍以上の丁寧さで。

 

楽譜を細かく見ながら、臨時記号、リズムなどを一拍ずつくらい(音符の旗がまとまっている)を一つの単位にして拾います。

 

当然、ノロノロ運転になりますが、できるだけ注意深く間違いのないようにゆっくりさらっていきます。

 

自分の音をよく聴き脳に覚え込ませていきます。

(この場合、意識的、暗記的に音を覚えようとしないこと。何度か弾いてよーく聴いていくうちに自然に覚えます)

 

 

 

攻略法② 曲の一番はじめから最後まで通して練習しない。

 

区切りの良い部分で切って、「今日はここからここまで」と決めてそこを何度も弾きます。

 

次の日、練習するときは、前の日のおさらいをして先の部分に進みます。

 

また次の日も同じことです。

 

欲張ってたくさんの長い曲の部分を練習すると成果があまり感じられません。

 

 

 

攻略法③ ポジション移動について。

 

ポイントとなるのはどこでポジションがかわるか?

 

自分が今どのポジションで弾いているかわかっていますか?

 

 

3rdポジション?2ndポジション?

 

そしてそれはどこで移動しましたか?

 

これらはほとんどの方が無意識です。一度意識にあげてみると良いです。

 

私の生徒さんには秘策として、ポジションがかわる指番号に◯をつけてもらいます。

 

すると手全体の形を変えずに(特定の指を伸ばしたりせず)ポジション移動を完了することができます。

 

ここまでにポジションの概念を習得しておくことが必須なので普段のレッスンでは別教材(後の『攻略法、番外編』に別記)を使っています。

 

 

攻略法④ とにかく気長にゆっくりとコツコツ・・・。回数を多く繰り返し練習。

 

曲の完成をあわてないこと。

 

時間はかかる、と覚悟してください。

 

それまでより丁寧に、注意力を持って臨むこと。

 

当たり前のように聞こえますが、特にそれまで苦もなく弾けてきた人にとってはこれらのこと(時間がかかる、など)を知らないと劣等感などを感じるかもしれません。

 

そんな必要は全くないのです。

 

(・・・て言うか、のんびりした生徒さんでもレッスンでゆ〜っくりさらってちゃんと弾けるようになります😄)

 

日々、コツコツ積み上げていきましょう。

 

 

 

攻略法、番外編! これやって!

 

日々の練習にこれらの教材をお勧めします。

 

『セブシックOP1−1』BOSWORTH社(今はヤマハ出版からも出てたかな?)

『サードポジション』全音楽譜出版

 

一朝一夕には効果はでませんが正しい方法で継続して実力の底上げにどぞ!😊

 

頑張ってくださ〜い👋

 

何かわからないことありましたらコメントくださいませ〜👍

 

 

神楽坂のブーランジェリー、PAULでランチ。

 

パリのカフェみたいなインテリアが素敵です。

チーズとハムのクロワッサンサンドをいただきました。

 

テイクアウトでバゲットも美味しかったです😊

 

 

 

 

 

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バイオリン弾いてみよう♪