発表会の意義。

もうすぐ発表会です。

 

私自身は、学生時代から発表会は大嫌いでした。

 

家事や仕事に忙しい母は聴きに来れませんでしたし、お衣装も自分一人で準備していました。

 

今は皆さん綺麗なドレスなどをお召しになりますが、私はどんなものが発表会の衣装に相応しいかもわからず適当な服を買って・・・

当時の写真を見るとヘンテコな格好をしていたなぁ、と思います。

 

 

高校生の頃。どうやらバッハの無伴奏を弾いたらしいです(忘れました)

 

それでも、たった一人で発表会に向けて練習をし、電車に乗って本番会場に向かい、誰に聴かせるという意思もなく

ドキドキしながら舞台に立って演奏しました。

 

そして一人、とぼとぼ家に帰る・・・。

 

楽しい要素がありませんねwww 修行でした😆

 

それでも、同じ門下生の中には今では世界的に活躍しているような人もいて、大いに勉強になりました。

とても面白い方で楽屋でのおしゃべりなどは楽しかったのを思い出します。

 

 

 

さて、私にとってはそんな発表会でしたが、今は私が生徒さんにその場を用意する立場です。

 

生徒さんの中には、

「今度の発表会はいつですか?」

とか、発表会が終わった後、

「楽しかった!!!」

と言ってくださる方がいて、いつもありがたく思っています。

 

発表会を開くにあたり、当然その目的があります。

 

いつもは生徒さん一人で練習している成果を皆さんに聴いていただくこと。

 

普段は一人黙々と自分自身に向き合って行う練習は孤独な作業です。

 

発表会までに弾けるよう、計画を立て先生の指導を受けてさらに精進していきます。

 

本番の日。

 

舞台では誰も助けてくれません。

それに、どれだけ練習してあっても本番では思いがけないことが起こりえます。

そういった危機管理をしつつ、一人、自分の練習の成果と自分を信じて弾ききらなくてはなりません。

 

これ、とても大事な人生の縮図だと思いませんか?

 

特に子どもの時にこういった体験をしておくことが強い心を作ることになります。

 

大人になって、社会に出た時、大事なプレゼンの日までに着々と準備をし、体調も管理、ドキドキしながら大勢の前で発表する、とか。

 

これに似たシュチュエーションは他にいくらでもあります。

 

私の場合、大事なコンサートがそうでした。

 

そのコンサートは私にとって気乗りしないものでしたが、プロである以上、やり切らなくてはいけません。

しかし、体の方が反応してしまい、当日朝、高熱を出してしまいました。

お医者さんに頼み込んで注射で抑えてもらい、本番は気力で乗り切りました。

 

そんな修羅場を何度も経験し、無事乗り越えてきたのも、発表会などの経験があったからだと思っています。

 

天才少女と騒がれた有名なドイツのバイオリニストも

「今私がコンサート活動をやれているのは子供の頃から舞台に立っていたから。」

と言っています。

 

強い精神を作る機会としても、経験しておくと良いと思います。

 

ここまで少し厳しいお話になりましたが、それだけでなく。

 

困難を乗り越えた後の達成感、開放感は素晴らしいものです。

 

自分を褒めてやりたくなります。

 

自信がつきます。

 

誇らしいです。

 

今までいろいろな生徒さんが発表会前に不安を抱えてドキドキしながら舞台にたち、立派に(たまにうまく弾けずに)袖に戻ってきた時、毎回、「本当によくやった!!!」って心の中で思っています。

 

生徒さんは安堵と達成感でとても良い笑顔を見せてくれたりします。

(私は照れ臭くて苦笑いか、むすっとしていたような・・・)

 

また、他の生徒さんの演奏を聴いて

「上手だなー。」

と刺激を受けたり、

「今度あの曲弾いてみたい!」

と、何かしら発見があったりします。

 

ですから、発表会はとても貴重な経験と断言できます。

私もなんだか義務のように発表会で弾いてきましたが、自分を成長させる良い経験だったと思うのです。

 

 

 

今回も様々なドラマがあるかも!

皆さんの演奏を楽しみにしています。

 

硬い話になりましたが、せっかくだから楽しんでくださいね〜。

 

 

生徒さんに勧められ

最近読んだ本です。

 

沁みました。