先日、バイオリン関係のブログを見ておりましたら、
ある先生が、生徒さんにアドバイスしていたことがありました。
それは
「元弓を使う時、手首を持ち上げて弾くと良い。」
というアドバイスでした。
どうやら、その生徒さんは元弓を使うと、弓圧が強すぎてガリガリと潰れた音になるそうで、そんな指導をされたようです。
確かに、手首を曲げて持ち上げて弾くと手や腕の重さが軽減されますが、私はお勧めできません。
なぜか?
それ、学生時代、私がやっていてダメなことは実証済みだからです!d( ̄  ̄)
どうしてダメなのか?
不安定になるからです。
私も元弓が弾きにくいと感じ、無意識に手首を引き上げ曲げて弾いていました。
でも元弓のガリガリ音は無くなるものの、決して綺麗な音が出るわけではありませんでした。
手首の曲げる可動範囲や力加減は自分ではコントロールしきれません。
不自然な力も入ってしまいます。
時にうまく弾ける場合もありますが、それはとても限られた条件下、調子の良い時だけです。
手首は基本、曲げない、と覚えておきましょう。
このことは、バイオリンの演奏の仕方の本にも書いてあります。
もちろん、基本のボウイングがちゃんと正しくできている上で細々としたテクニックで手首は曲げることはあります。
でも、正しいボウイングができていない段階で手首やら指やらで調整するのは避けた方が良いです。
最近は少なくなったと思いますが、発表会などで、ぐにゃぐにゃと腕やら手首やらを曲げて弾く子供達が見かけられました。
これはいかにも上手そうに見えたりしますがよくありません。
ではどうしたら良いのか?
当たり前な話ですが、正しいボウイングを身につけることです。
そしてそれはとてもシンプルなことです。
シンプルなだけに奥が深いです。
ここからは言葉や文章では説明し切れませんが、ヒントをあげておきます。
弓を弾く手はどこが動力でしょうか?
手そのもの?それとも腕?
手、だとしたら手首から先が宙に浮いて動いていることになります。
それっておかしいですよね?
では腕?手首よりは納得できますが腕も宙に浮いて動くでしょうか?ってことです。
言葉で説明しづらいんですが・・・ご自身の身体を動かしてみて検証してみてください。
例えるなら、大地に根を張った樹の枝先に葉が生い茂るのはなぜ?みたいな。
バイオリンを弾くことは総合的に考える必要があります。
ここからは先ほどの「手首を曲げて弾くことの弊害」についてざっくり写真で説明します。
これが「元弓を使う時手首を持ち上げて・・・」という形。❌
こうすると手首や肩に不要な力が入ってしまいます。
このままダウンボウに入ると手首を元の形に戻す、という不必要な調節の動作が生じます。
これが正しい形。(原則)⭕️
手首を曲げるのではなく、腕も引き上げて弓にかかる圧力を調節します。
肩は上げたりせず、力は入っていません。
同じ形をとってみてください。
どこで支えていますか?
逆に。
弓先は圧力がかけにくいのでしっかり音を出すために
手首を出して押さえる方も見受けられますが、これも私はお勧めしません。
さらに肘で押さえつけるケースも🙅♀️
あくまで自然に力を抜いてボウイング。
音が響いているかよく聴いて。
おまけ。
後の2枚の写真にNGな部分が他にあります。
どこかわかりますか?😆
答え。
左手首の時計。
バイオリンを弾くとき、左手の時計は外したほうが良いです。
普段、私は右手に時計をしますが、これはスポーツウォッチで便宜的に左手にしてます😅
早く写真を撮りたかったのでそのままにしていました。(スミマセン🙇)
練習する時は外しています。
実際、バイオリンを学習されている方はわかると思いますが、演奏にはたくさんの動作や気遣いをしなくてはいけません。
そんな時、基本はシンプルである方が有利です。
できるだけ無駄を省き、エネルギーを注ぐべきところに集中させるのが上達の早道だと思います。
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